int(2933005) string(3503) "319 山梨県鈴庫鉱山北方尾根露頭 自然金 (撮影金粒全部)
鈴庫(スズクラ)鉱山は甲州市北部、鈴庫山(標高1600m)山頂の南西1.4kmの沢沿いに位置し、武田信玄時代に金山として開発され、明治-昭和初期にかけて断続的に金銀鉱が採掘された鉱山です。鉱床は花崗岩中のペグマタイト性石英脈で初成鉱石鉱物としては、多量の硫砒鉄鉱のほか、多い順に黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、ブーランジェ鉱、車骨鉱、輝銀鉱、自然金などを含みます。また、石英脈中に褐簾石を産したとの報告(日本希元素鉱物)もあります。地表部の酸化鉱が採掘された信玄時代には多量の自然金を産出したとの言い伝えがあり、また鈴庫鉱山北方の滑沢流域には信玄時代と思われる小規模な堀跡が点在し、カラミが残っているので、灰吹法による金銀の精練も行われていたようです。記録の残っている昭和期採掘の鉱石平均品位はAu14g/tAg119g/tと結構高品位の金銀鉱を産出しました。
出品の自然金は、坑口北方、滑沢との分水嶺(鈴庫山から西へ延びる稜線)付近に昭和30年代には存在していた、信玄時代と思われる鉱脈露頭採掘跡で採取した強風化鉱石を沢まで運び降ろし、粉砕・パンニングして得られたものです。パンニングの技術が悪く、硫砒鉄鉱などの硫化鉱物や黒色磁鉄鉱、石英の粒がかなり混入しています。磁鉄鉱は母岩の強風化花崗岩に由来します。
自然金は最大2mm、扁平でしばしば檜葉のような樹枝状結晶が認められます。強風化・酸化してぼろぼろになった露頭鉱石から採取した“山金“であるため、表面はにぶい金色ですが、酸で洗えばもっと輝くはずです。"